ガンダムAGE
新番組に気づいたので、ガンダムAGEを録って見てみました。
ひどいひどいとうわさだったらしいのでどれほどのものかと
逆にわくわくして見ると、たしかにひどかったです。
わたしが一番強く感じた印象は『許せない』に近い感じで、
いろいろ個人的な許容範囲を超えていたというのが
正直なところです。
一番許せないのが、世界観というか、舞台のぎこちなさです。
ガンダムといえば一応戦争モノです。
死にたい人や死にたくない人が戦場に出て
死んだり殺したりするお話です。
……が。死にたいとか死にたくないとかでない、
おとぎ話の中に暮らすこどもが、適当に戦場に登場します。
たとえば映画『フルメタルジャケット』で、
主役たちが狙撃兵に襲われるシーンを思い浮かべます。
仲間が一人撃たれて死にかけているので、
別の仲間が救出に向かいます。
それを狙って、敵は救出しにいく主役たちを撃ちます。
でもとどめはさしません。
殺したらそれは見捨てられるものになるので、
殺さないように半殺しのエサとして、
寄ってきた敵兵を狙撃していくという敵側の作戦なのです。
見捨てるべきか助けるべきか、
仲間の命にかけて、まずは狙撃兵を探すべきか。
選びようのない選択を迫られ、主役たちはあせります。
と、そこへひょっこり『キテレツ大百科』の
キテレツ君がやってきます。
「だいじょうぶ」
と彼はいいます。
「こんなこともあろうかと、こんなのを作ってきたんだ。
『対スナイパー用弾道計算機付き遮蔽物貫通ライフル』!
……さっきの狙撃で弾道から位置はわかってるから、
目標をセンターに入れてスイッチ! はい死んだ!」
これで緊迫のスナイパーの場面が解決する、
そんなフルメタルジャケットを見ている気分です。
フルメタルジャケットはフルメタルジャケットだからこそいいのであって、
キテレツ大百科はキテレツ大百科だからいいのです。
キテレツ大百科のキャラとノリで、
フルメタルジャケットをやって欲しくはありません。
ガンダムAGEの問題は、そこにすべてが集約されると思います。
ファンタジーノリで行う戦争モノという感じはとても微妙でした。
そもそものノリは、個人的にはボンボン的だと感じます。
まるで、謎機械でプラモに乗り込んで、
ジオラマ上で戦う漫画のようです。
いっそ、完全にそういう方向性でやったほうが
キャラクターデザイン的にも、対象年齢的にも
あっていたのではないかと思いました。
キャラクターデザインも大変わざとらしく、
幼児向けという感じです。
あれは幼児向けだと考えると、
軍隊なのに正規の軍人でないこどもが、
軍のお金で新兵器開発というすごい仕事をしているのも、
サンプルもろくに手に入っていない敵を効率的に殺す
すごい殺戮兵器が数十秒でできてしまうのも、
大人が簡単にこどもを仲間にして相手のことを認めるのも、
全部しかたのないことなのでしょう。
……わたしには受け入れられませんけど。
多分幼児向けであるものを、
それでも見て文句を言ってしまうとは、
いまだにガンダムとは根強い潜在的人気があるのだと
しみじみ感じました。