似顔絵のこつ
最近似顔絵を練習し続けて、ようやくすこしわかってきました。
まずわかったのが、わたしは人間を描く練習は
していなかったということ。
わたしの絵ははじめから『イラスト』を描くためのもので、
消しゴムやモノ、風景などはすこし描いたことがありましたが、
それ以外はイラストを描くためのイラスト練習であって、
実物の人間がどうかというのはまったく考えていませんでした。
今回、似顔絵を描くために人間の写真を見ながらイラスト化する
練習をしていたら、人のおでこは思っていたほど
狭くないことがわかりました。
そして、人の顔は思っていたほど広がっていないこともわかりました。
あとは手法としては、リアルに描こうとしても
それが似顔絵になるとは限らないことです。
今回一番思い知ったのは、ほほなどの丸みです。
写真ではほほが丸くても、イラストで丸みをつけると、
それだけで女性的になってしまっていたのでした。
印象として、相手の顔がごつごつしていると思ったら、
そこはもう丸みをつけず、冗談のようにとがらせてしまったほうが
男性は男性らしく見えるようです。
イラストを描くときは、完全なうそ、完全な虚構だと思っています。
でも似顔絵の場合は、うその中に現実部分を混ぜ込まなくてはいけません。
どこに現実のにおいを入れるか、というところが
どうやら似顔絵の心になるようです。
写真を写真のままにイラストにしても、
その人っぽく見えないかもしれません。
『リアルさ』よりも、『それっぽさ』。
『リアル』っぽくするよりも、自分の中の印象なり、
ちょっとした特徴なりを混ぜて強めてしまって、
『それっぽい』感じを出したほうが、
似顔絵としては似る感じになるみたいです。
たとえば、目が大きいと思ったら、もっとおおきく。
目が細いと思ったら、やたらと細く。
写真では判別できる人も、いざ絵にしようとすると
たいした特徴がなくて困ることもあります。
漫画などを見ていると、顔が同じで髪型だけ違うようなキャラもよくあります。
わたしもそうそう描きわけなんてできません。
でもたくさんの写真を見ていたら、
人の顔はこんなにも種類があるのだと、なんだか感動しました。
コミックマスターJは絵の練習もかねて
ひたすら似顔絵を描いていたといいますが、
その気持ちも多少わかる気がします。
しっかりと向き合おうとしてみると、
似顔絵は俄然面白くなってきました。
もうすこし練習を続けたくなりましたが、全身像も描きたくなってきました。